アップグレードが無料なんて旨すぎる話だ

コンサルティング会社のKalypso社は、「PLM に費やされた 10ドルのうち 8ドルはシステムメンテナンスサポートに費やされています」と述べています。これはあなたの企業が現在所有するライセンスコストにも通じるものがありますか?


先日、私はアリゾナ州フェニックスで開催された ACE(Aras Community Event)2019 に参加しました。そこでは、コミュニティの多くのメンバーや多くのお客様と話をする機会がありました。皆さんになぜ Aras を選んだのか、なぜ Aras を検討しているのかと尋ねると、共通した優先テーマ、つまり PLM システムのアップグレードが課題として挙げられました。これは、私が Aras に入社する前に、大手製造業で PLM 導入プロジェクトのリーダーとして個人的に経験したことと同じです。


多くの PLM システムを所有した大規模なコングロマリット企業では、そのほとんどは高度にカスタマイズされていて、老朽化していました。おおむね 5年~15年程度使われていたようでした。そして、多くの企業と同様に、例えば理想的には M&Aや組織の再編成の直後に行うべきシステム移行/統合には、多額のコストが必要でした。システムが統合されるのを待つ間、技術的な負債が増え、同時に、本来であればメリットの達成と会社の競争力の向上に割り当てることができたはずの資金とリソースをそこに費やすことになるのです。

そして、最も深刻な問題は、なぜこれらのシステムが塩漬けになってしまったのか、という点です。初めはいろいろな成功目標を持って導入を開始したとしても、その後多くの場合は予想よりも時間がかかり、結果的に意図したビジネス目標を達成するために大きなカスタマイズが必要になりました。しかし、ここからそれらの企業は、旅を始めるのです − 私のお気に入りの言葉、「瞬間的なレガシー」に向かって。システムのカスタマイズを簡単にアップグレードできない場合、システムが導入された瞬間、それはレガシーになります。一部のビジネスリーダーは、導入が完了したら、アップグレードを行っていなければ、維持とサポートのコストは横ばいであるはずだと主張しますが、実際はそうではありません。システムを作るのをやめてしまったら、そこで成長は止まってしまうのです。


ビジネス変革は継続的なプロセスです。 PLM と他のシステムは引き続きカスタマイズされ、理想的にはアップグレードされ、企業全体で緊密に統合されます。それをさらに複雑にするのは、ビジネスの速度です。CRM、ERP、MES などの他の統合システムのリリースに追いつく必要性、新しい市場の需要、規制要件、予期しないビジネス課題に対応するためにプロセスを適応させる必要性があるのです。いつまでも古いレガシーシステムの修正に行き詰まっていると、これらの課題に対応できず、しかも費用対効果が得られないという深刻なリスクを抱えることになるでしょう。


毎年、この「瞬間的なレガシー」の問題に直面している企業はアップグレードを検討するかもしれませんが、さまざまな理由でそれがかなわない傾向があります。多くの場合、アップグレードに多額のコストがかかる上にビジネスを中断せざるをえないため、それならば、簡単にメリットを数値化できないのでアップグレードはしない、という結論に達します。経年に伴い、もはやそれはアップグレードではなく移行と呼ぶほどであり、その頃までに、レガシー PLM システムはビジネスに悪影響を及ぼすようになっています。何年にもわたるこれらのコストはすべて捨てたコストであるため、コストは再実装と同じレベルになり、ここが、Arasのことを考慮し始めるところです。


また、これがまさに私が数年前から Aras が気になっていた理由であり、Aras の顧客が主な選定理由として挙げていたものです。簡単に言うと、Aras ではカスタマイズが可能で、サブスクリプション契約費用の中で、いつでも Aras がアップグレードを実行します。その結果、より短期間でより適切に適応し、PLM を最新の状態に保つことができます。


私が最初に真剣に Aras を調べ始めたとき、私は「アップグレードが無料なんて旨すぎる話だ」と思いました。 おそらく、Microsoft、Airbus、GM、三菱重工業のような Aras の顧客は、レガシー PLM をカスタマイズするほどのお金を費やしていないのではないかと思っていました。しかし実際には、利用状況にもよりますが、Aras だと数倍も費用が少なくて済むのです。信じがたいことですが、Aras は本当にすべてのアップグレードを行っています。大幅にカスタマイズされたものも含め、すべてデータの損失はありません。


私にとってそれはひとつの「なるほど!」と思う体験でした。それはまさに、多くのユーザーやお客様から聞いたのと同じ話だったのです。


真の「なるほど!」の瞬間は、ピーター・シュローラと Aras の組織が、何年か前に調査会社の Forrester社が「PLM市場の破壊者」と呼んだことを実現する素晴らしいビジョンと規律の両方を持っていたことでした。サブスクリプション契約者が追加料金なしで利用できるアップグレードは、オープンプラットフォームと、プラットフォーム内のサービスですべてのアプリケーションを再構築する戦略の規律なしには成り立ちません。つまり、多くのレガシー PLM システムが苦労しているような、さまざまなアーキテクチャの寄せ集めでがんじがらめになってしまうことはないのです。


本当にカスタマイズとアップグレードが可能なのでしょうか。そう、これは Aras とは独立して検証されているのです。


「 …高度にカスタマイズされた PLM ソリューションのアップグレードが保証されていることだけに注目するのでなく、実際には Aras のサブスクリプション契約企業の間ではそれが一般的であることが重要です。アップグレードされたデータベースは通常 2週間以内に Aras から返却されると多くの人が報告しています。 Aras によると、アップグレードの技術的な部分は通常数時間で完了し、残りの時間は検証テストに費やされています。お客様自身で行う必要があるのは、統合検証と、独自の受け入れテストの実行です」 (CIMdata、2018年5月)
CIMdata の結論からの抜粋:「Aras PLM Platform: Redefining Customization and Upgrades Commentary(Aras PLMプラットフォーム:カスタマイズとアップグレードの再定義の解説)」


Aras のソリューションのすばらしさは、そのシンプルさと、カスタマイズのペナルティなしにアップグレードできるという事実にあります。これによる影響は重要であり、Aras の顧客の多くにとって、今後さらに多くの価値があります。Aras PLM プラットフォームのアーキテクチャは、高度にカスタマイズ可能であるだけでなく、持続可能性も高くなっています。アップグレードができない、大幅に遅延するという時代は終わりました。Aras PLM プラットフォームは、ビジネスとテクノロジーの変化に対する高度なレジリエンス(しなやかさ)を備えた堅牢なソリューションであり、それによって企業の短期および長期の PLM 投資を保護し、将来の適応性を確保し、総所有コストの削減に貢献します。Aras PLM プラットフォームが、副作用を引き起こさずにビジネス要件を満たすカスタマイズが可能な、真のイノベーションであるか? その答えはもちろん「Yes」です。


Aras は、PLM をアップグレード可能にして、テクノロジーへの投資を将来的に保証します。これが事実であることを確認し、メンテナンスとサポートに予算の大部分を費やすのをやめることをお勧めします。支出と最良のリソースをビジネスに真の違いをもたらすものに集中させることで、費用を最大化することができます。

※この投稿は、英語ブログ記事「Can Upgrades Truly Be Free?」を元にしたものです。