Aras Virtual より – Aras 最新情報ダイジェスト

新型コロナウイルス感染症の影響を受けた皆さまには心よりお見舞い申し上げます。

Aras の年次イベントである ACE 2020 は、日本だけでなく米国本社でもキャンセルになってしまいました。世界中から Aras のお客様やパートナー様がお集まりいただき、情報交換をしたり Aras の経営陣や開発スタッフと直接コミュニケーションできる年一回の貴重な機会だっただけに、Aras CEO Peter Schroer をはじめ、関係者一同、非常に残念でなりません。

そこで、ACE 2020 のために準備してきました情報を少しでも皆さまにお役立ていただこうと、代わりに「Aras Virtual」と題したオンライン セミナー シリーズを展開しました。以下の 3 つのシリーズをご覧いただけます。

最初に公開されたウェビナーの「What’ New from ArasAras 最新情報)」は、ACE イベントでは恒例となっています SVP Product Management(製品開発担当 上級副社長) John Sperling からの Aras 製品に関する最近の実績と近未来の予定をご紹介しています。プレゼンテーション全体は英語ですが、図や製品画像、デモを使ってわかりやすく紹介されていますので、ぜひご覧ください。ここでは、その内容をかいつまんでご紹介いたします。

また、このプレゼンテーションの冒頭で紹介されている Aras の特徴について、4分ほどの短い動画にまとめたものもウェブサイトにてご紹介しています。合わせてご覧ください。 https://www.aras.com/ja-jp/

 
【SAFe 開発環境】

John は、毎年のこのプレゼンテーションでは、なるべく理解がしやすいようにテクニカルな用語や考え方を何かに例えて紹介しますが、今回は電子機器デバイス(英語では black-box)に見立てて、Aras の基本的な特長であるプラットフォームとしてのオープン性、柔軟性、拡張性、アップグレード性の考え方を紹介しています。ただし、Aras なので「Red-box」ですが () 

2019年のハイライトは、なんと言っても Aras Innovator V12 のリリースでした。こちらは Aras の開発プラットフォーム SAFe(*) Portal を活用して開発されており、これからの Aras Innovator の基盤となるバージョンとなります。

* SAFe = Scaled Agile Framework、アジャイル開発手法のひとつ

また、ソフトウェアのアジャイル開発環境として SAFe を活用することにより、ソフトウェアのリリース期間を 14週から 6週に短縮することができ、すべてのサービスパック(SP)ですべてのアプリケーションをリリースできるようになったのは大きなメリットです。さらに、これによって弊社ウェブサイトでお客様に開示しているロードマップの正確性や詳細度も、これから格段に上がる予定です。

 

【基本機能】

Aras Innovator V12 のクライアントの基本機能にも数々の強化が施されました。例えば、タブや画面内のUI 上の操作性が大きく向上し、CUI を利用すれば容易にカスタマイズも可能になりました。 

データの表示方法についても、様々な機能強化や新機能が追加されています。例えば、Tree Grid View および Graph View を使えばデータの関連性が非常にわかりやすく表示できます。さらに Dynamic Product NavigationDPN)により、設計情報から様々な属性にアクセスして検索結果やデータの関連性などを 3D 空間上にわかりやすくインタラクティブに表示することが可能です。 

Technical Documentation Framework(TDF)は、技術文書作成や要求管理、MPP 等の様々なアプリケーションで活用できる文書エディタで、ドキュメントエレメントがマッピングされるようになりましたので、その場で柔軟にテキストを編集したりパーツ属性を編集することも可能です。もちろん、デジタルスレッドによってあらゆるデータやアイテムタイプとリンクされますので、バージョンに追随してドキュメントも更新されます。

 

【アプリケーション】

Aras Innovator の各アプリケーションも多くの機能強化がありました。

まずコアの Product EngineeringPE)では、エフェクティビティ管理が標準機能となり、例えばひとつの構成の中で複数の BOM を管理できるようになりました。変更管理のパフォーマンスも改善されました。また、ここ数年の間に取り組んできましたバリエーション管理でも、既存機能を強化するとともに、VM サンプルアプリをご提供して、将来の PE の標準機能にすべく皆さまのフィードバックをお願いしています。

デジタルスレッドの重要な要素である要件管理(Requirements Engineering)では、エディタとして TDF を活用して操作性や柔軟性が向上したことに加え、近い将来のリリースでは TDF のドキュメントに記載されたパラメータや数式を活用することも可能になります。このパラメータは元のデータや属性とリンクした「生きた」パラメータですので、リアルタイムでアップデートが保証されます。また、近々 ReqIF フォーマットのサポートも予定されています。

今年の第3四半期に予定している新しいアプリケーションの一つが Systems Architecture で、システム開発のコックピットとして製品を構成するシステムを定義することが可能になります。RFLP のデータモデルを表示して Innovator に直接入力したり、MBSE ツールを統合してデータを自動的に入力して、ビジュアル コラボレーションを使ってデータを共有できます。グラフ ナビゲーションを使って複雑なデータの関連性をわかりやすく表示し、そこからシミュレーションモデルともリンク可能です。今後さらに複雑になっていく製品を定義できるためには、非常に重要なアプリケーションと位置付けています。

デジタルスレッドの追随性を考えた場合、シミュレーション管理は欠かせない要素です。シミュレーションの条件から構成されたスタディを基に、シミュレーションプロセスとデータをデジタルスレッドとして追跡しながら管理し、最終的にスタディに戻してビジュアリゼーションや目標値、結果等をレポートにまとめることによって、マネージメントや他部署とのコミュニケーションやコラボレーションに活用できます。こちらも第3四半期のリリースを予定しています。

デジタルスレッドを進めていくと、ものづくりプロセスの後半の、実際に製品が製造された以後は、デジタルツインを定義できます。これを実現可能にするのが Digital Twin CoreDTC)です。フィジカル パーツというアイテムタイプを新たにサポートすることにより、製造後の BOM 構成を表現します。これは、この領域をカバーする将来のアプリケーションの基盤になると位置付けており、まもなくリリース予定です。これによって、出荷先で運用されている固有の製品の構成も管理することができ、元のデジタルデータの構成との比較や検証によって、製品メンテナンスや部品交換のプロセスを効率化することが可能になります。

このように、Aras Innovator の中の数々の基本機能やアプリケーションの機能追加や機能強化に取り組み、お客様の業務効率の向上にお役立ていただきたいと考えています。

 

【展開環境】

一方、お客様が Aras Innovator を展開する際にお役立ていただける Aras の取り組みについていくつかご紹介します。

ものづくりでは通常はサプライヤや製造委託先との協調が欠かせません。そこで、外部とのアクセスを現在よりも容易に可能にする、ダイレクトアクセスによる Secure External Access を準備しています。また、人だけでなく外部のレガシーシステムとの接続も重要ですが、提供予定の Federation Service によって個別接続を開発する必要性も削減できます。

アプリケーションや機能開発の際のテストは非常に時間と労力を要する作業ですが、テストを容易に開発、維持、そして実行できる Test Automation FrameworkTAF)をリリースしました。TAF Aras Innovator V11 V12 をサポートし、ほとんどのブラウザーで稼働します。利用方法やすべての API がカバーされたドキュメントと、テストもサンプルも提供されています。(費用についてはお問い合わせください。

最後に、クラウド版の Aras Innovator が充実します。現在でもバーチャルマシン経由でクラウドをサポートしていますが、近い将来にはコンテナ型の仮想化を実現して、PaaS サービスとして、Azure 上では今年の第4四半期に、AWS 上では 2021年の上半期に提供開始を予定しています。

 

【最後に】

昨年から今年にかけてすでに多くのプラットフォーム機能やアプリケーションがリリースされており、これからまだまだ予定されています。また、SAFe 環境の採用によって、より高品質のソフトウェアをより迅速に皆さまにお届けできるようになりました。これからも、お客様のものづくりプロセスのプラットフォームとして Aras Innovator をさらにご活用いただき、デジタルスレッドの実現をお手伝いさせていただければと思います。

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