ゼロからの Aras Innovator 第20回 ~アクティビティの完了条件 -100点で次へ~

みなさま、こんにちは!
アラスジャパン トレーナーの時田です。

前回につづき、第20回もワークフローの機能をご紹介してまいります。

テーマは、「アクティビティの完了条件 -100点で次へ」 です。

前回のブログ では、ワークフローの基本的な設定方法とワークフローのまわし方をご紹介しました。

今回は、各アクティビティを処理する担当者の設定方法(=誰に承認依頼や作業依頼を回すかの設定方法)をご説明していきます。
                                                     

各アクティビティに担当者を設定してみよう!

 

「各アクティビティを誰が実行するのか?」を設定するのが、ワークフローマップの「アサインメント」タブです。

この欄に指定されたアイデンティティのInBasketにアサインメントが届き、作業やレビューなどのアクティビティを実行した後に意思決定を行って(ワークフローをどの方向に進めるのかを決めて)もらうことになります。

「アサインメント」タブ内で設定可能な項目をご紹介していきます。まず、「指示のウェイト」列について。
ここでは、各担当者が意思決定(=パスを選択)する際の重みづけを行います。

Aras Innovatorのワークフローの機能では、原則として、どれかひとつのパスが100点以上を獲得したら、そのタイミングでそのパスに進み、現在のアクティビティは完了となります。
そのため、「指示のウェイト」に割り振る値を工夫することで、多数決や全員一致のルールを設定することができます。

例を4つ挙げながら、「指示のウェイト」の使い方を具体的にご紹介していきます。

【例1】

つづいて、2つ目の例です。
【例2】

つづいて、3つ目の例です。
【例3】

※「エスカレーション」については後述します。「デフォルトパス」は、以下のように、まずパスを選択し「デフォルトパス」欄にチェックを入れれば設定完了です。

最後の例です。
【例4】

最後の例で紹介した「必須」の設定をしたい場合は、「アサインメント」タブの「必須」欄にチェックを入れます。
この設定をすると、他者の意思決定により100点を超えたとしても、「必須」の担当者が終えるまでは、次のアクティビティに進まずに待ちつづけます。

また、「全員が対象」にチェックを入れることで、グループアイデンティティの全員に意思決定権を持たせることができます。

例えば、上記の「Engineering」グループのメンバーが3人だった場合、その3人全員が意思決定権を持ち、「指示のウェイト」の値が均等配分(端数切り上げ)されます。この例では、「100点」を「3人」で配分するので、各人が「34点ずつ」持つことになります。
また、「全員が対象」のチェックが外れていた場合、グループのメンバーの誰かひとりが意思決定をしたら、それで100点分終えたことになります。

エスカレーションとは?

つづいて、これまで何度か出てきていた「エスカレーション」について、ご説明していきます。
エスカレーションとは、何らかの事情により担当者が処理できなかった場合に、代わりの担当者(通常は上長)に自動的に引き継がれることを指します。

Aras Innovatorにおけるエスカレーションの発生ケースには、以下のようなものがあります。

A) 全員が意思決定を行ったが、どのパスも100点に至らず、またデフォルトパスの設定もされていなかった場合(前述の【例3】)
B) 担当者が意思決定を辞退した場合(設定により、辞退を許可することができます)
C) 指定された時間を過ぎても、担当者が処理しなかった場合(期限の指定や、リマインドメールの送付なども設定可能です)

また、エスカレーションが発生した際、「誰に引き継がれるのか?」は、以下の順番で決まっていきます。

1) 各アクティビティの「アサインメント」タブの「エスカレーション」欄に設定されたアイデンティティ。この欄がブランクだった場合、2)へ。
2) 各アクティビティの「エスカレーション」欄に設定されたアイデンティティ。この欄がブランクだった場合、3)へ。
3) ワークフローのプロセスオーナー。この欄がブランクだった場合、4)へ。
4) ワークフローのもとになっているアイテムのCreator。
※なお、エスカレーション発生ケース「A」の場合は、2)からスタートします。


ワークフローの各アクティビティに担当者を設定する方法のご紹介は、以上となります。
次回は、ワークフローの発展的な機能(サブフロー、ライフサイクル&ワークフローの連携など)をご説明してまいります。

なお、このブログでは触れていない設定項目は、弊社で毎月開催中の 「Workflow」のトレーニング にて詳しくご説明していますので、ご興味のある方は、ぜひご参加ください。

では、また次回こちらでお会いしましょう!
アラスジャパン トレーナー 時田 和佳奈