ACE 2021 開催のご報告

こんにちは。アラスジャパン マーケティングの宮岡です。

去る 202142022日の 3日間にわたって ACE 2021 を開催いたしました。

新型コロナウイルス感染拡大がまだ心配される中、今年の ACE は初めて完全オンラインで、しかも世界同日開催という形で実施いたしました。千人規模のオンラインイベントの実施には非常に不慣れな中で準備しましたが、ご参加いただいたお客様やご協賛いただいたパートナー様をはじめ、非常に多くの皆さまのおかげをもちまして、たいへん盛況のうちになんとか終了することができました。ご来場いただいた皆さま、またご協賛いただきましたパートナーの皆さま、誠にありがとうございました。

ACE 2021の各セッションは、一部を除いて、今でもオンデマンド視聴が可能です。ご登録いただきましたメールアドレスとパスワードでこちらからログインしていただければ、海外のセッションも含めてご視聴いただくことができます。また、ACE 2021 にご登録されていなかった方も、今からでもご登録いただければ視聴が可能です。こちらから新規にご登録いただき、ぜひご覧いただければと思います。

全体結果

 今年の ACE 2021 は一つのグローバルイベントとして企画しました。

全世界では 3,200名以上のご登録をいただき、その約 1/3が日本からのご登録でした。また、3日間を通して一回でもご参加いただいた方は約 70%、特には日本からは実に約 9割の方にご参加いただきました。これは無料のオンライン イベントとしては驚異的に高い参加率で、皆さまのご関心の高さの表れといえます。本当にありがとうございました。

Aras からのご挨拶

初日の冒頭の、弊社社長の久次の開会の挨拶に続いて、Aras CEO 兼創業者であるピーター・シュローラ(Peter Schroer)からのメッセージがありました。今年の ACE イベントについて、お客様にリアルでお会いできなかったことを Aras 社内で最も悔しがっていたのはピーターでした。来年こそはお客様から直にいろいろなご意見やご要望、フィードバックをお聞きしたいと切望していました。 

 ピーターからのメッセージとしては、昨年からのコロナ禍をいかに DX へのチャンスと捉えて、変化に対応できる「レジリエンシー(回復力)」を身につけられるかが重要。2020年は、今まで ACE で何年も言い続けてきたことの真価が問われた年だった。しかし、それだけでなく、パンデミックを経験して、そこにはさらにエンパワーメント(力をつけること)も必要とわかった。そして、次のパンデミックが起きる前に、新たな予測できない変化が起きる前に、持続可能なデジタルトランスフォーメーションを通して今から準備しておこう、と言っていました。 

そして最後に、当日朝に発表されましたが、新たな投資会社の GI Partners 社による投資によって、Aras はさらに成長していくので期待していただきたい、という決意表明が聞かれました。

 

お客様のご講演

 事例講演 「Aras Innovator によるエンジニアリングプラットフォーム戦略及び活用事例のご紹介」

日産自動車株式会社

 1日目のユーザー事例講演は、2015年以来の2回目のご講演となりました日産自動車様にご登壇いただきました。今回は、車載ソフトウェア開発部門向けの PLMとしての Aras Innovator の選定および導入状況を、システム担当と事業担当(エンドユーザー)の両方の観点からご発表いただきました。特に、ルノー社との開発部門の提携に関わるエピソードは非常に生々しく、聞き応えのあるものでした。

事例講演「エンドユーザーからの課題ろ過装置としてのAras Innovator

株式会社ROKI

2日目のユーザー事例講演は、株式会社ROKI様から同社での PLM の立上げおよびシステム管理について、Aras Innovator の強みである導入のしやすさを中心に、当時の不安や苦労も交えて、非常に貴重な体験談をお話しいただきました。

事例講演「Aras Innovatorによる技術部門データ管理システムの構築」

株式会社ジャムコ

最終日のユーザー事例講演は株式会社ジャムコ様にご登壇いただき、以前の ACE 2014 での事例講演からのアップデートを中心に、その後のマルチCAD管理や海外拠点からの利用の実現等についてご紹介いただきました。この7年でご利用範囲を非常に幅広く拡張され、効果的にご利用いただいていることを実感することができました。

特別講演「ビジネスゴールを達成するためのスマートファクトリーとは」

エイムネクスト株式会社

最終日の最後のセッションでは、エイムネクスト株式会社様よりスマートファクトリーの導入に関するヒントをご講演いただきました。スマートファクトリーを達成するための実践的な方法を、取組事例を交えながらご紹介いただきました。本セッションはオンデマンド視聴可能ではありませんが、ご興味のある方はぜひエイムネクスト様にお問い合わせください。

上記 3社の事例講演のうち、日産自動車様とROKI様のご講演はオンデマンド公開はされていませんが、3社の講演内容は後日ユーザー事例として公開できるよう準備を進めていますので、楽しみにしてください。

 

パネルディスカッション

 2日目の最後のセッションは特別セッションとしてパネルディスカッションを準備し、コロナ禍であっても、あるいはコロナ禍だからこそ加速した製造業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)について、ユーザー代表として川崎重工業株式会社様、お客様を支援する立場としてアクセンチュア株式会社様、モデレータとして日経BP総研様をお迎えし、弊社久次と共にそれぞれのご経験を中心にお話を伺いました。

  • 製造業、特にその現場ではコロナ禍でも出社しなければならないことも多かった
  • 一方で、自動化を進めるきっかけにもなった
  • リモートワークの加速によってインフラの整備が進んだ
  • サプライヤも含めて、クラウドの活用の検討が増えてきている
  • 業務にリモートワークも混在することにより、データや情報のサイロ(による弊害)が顕在化した

 「災い転じて福となす」につながるよう、パネルディスカッションでのお話が皆様のDXの一助になれば幸いです。ACE 2021 にログインしてオンデマンド視聴でご覧ください。

 

海外の事例講演

 日本時間の夜遅くから深夜にかけて行われていた海外版では、さまざまなテーマに関して、多様な業種から非常に多くのユーザー事例講演がありました。英語での講演となりますが、ぜひお楽しみいただければと思います。

  • Toyota Motors Europe社:変化し続ける世界において、人々を幸せにするために、「プロセス」「人」「ツール」の観点から、どのようにDXに取り組んでいるか
  • Microsoft社:2015年のAras導入以来、6,000人のエンドユーザの日常業務を止めずに、ほぼ年1回のペースで実施されてきたアップグレードに関して、そのプロセスの詳細、規模、およびメリットについて
  • Insitu社:少人数のチームで、Aras導入後の前半5年間で9件のアプリケーションを開発、後半の5年間はアジャイルスクラムの採用により、さらに12件のアプリケーションや機能開発を実現
  • BNP Paribas社:グローバル展開している金融企業が、製造業向けと思われているPLMシステムに目をつけ、金融商品のライフサイクル管理やトレーサビリティの管理に活用し、大きな成果をあげている
  • ほか、多数

こちらの講演も、ACE 2021 にログインしてオンデマンド視聴でご覧いただけます。

Aras の最新情報

 Aras の Product Management 担当 SVP であるジョン・スパーリング(John Sperling)からは、恒例の Aras Innovator の最新情報および将来予定について講演しました。PLM システムとしては異例かもしれませんが、Aras は製品の開発予定のロードマップをホームページ上に公開していますが、本年よりその体裁を変更し、より実際の開発プロジェクトに直結した情報を公開しています。ぜひ、これからの Aras の拡張計画の参考にしていただければと思います。

2021年の最大のニュースは、Aras Innovator Enterprise サブスクリプションのリリースですが、技術的な観点からのご提供内容や機能、メリットが紹介されました。もちろん、それ以外の新機能や新アプリケーションについても紹介され、最後に 2021年の 2つ目のビッグニュースとして、年末に向けて V14のリリース予定が発表されました。V14 では .NET Coreに移行することによって、Microsoft に加えて Linux もサポートできるようになり、さらなる拡張性やコスト減が期待できるということです。

  

Aras のビジョン

 最終日の最初のセッションは、Aras CTOであるロブ・マカベニー(Rob McAveney)によるものづくりの未来と Aras のビジョンの話がありました。

デジタルトランスフォーメーションに取り組むとはいえ、何に向かって何を変革するのかに注目すると、「新しいテクノロジー」「新しい市場動向」「新しいビジネスモデル」への対応が必要で、避けて通れない。テクノロジーとしては、製品はますます「インテリジェントでコネクテッド」となり、製品開発および製品そのものに「AI/ML」を活用するようになり、状況や用途に応じて「クラウドとエッジコンピューティング」を使い分ける。これによって「今までと異なる製品を開発する(design different products)」だけでなく、「今までと異なる方法で開発する(design products differently)」ことが可能になる。Aras Innovator は、このような変革に常に対応できるようにしていく。今回のプレゼンテーションにはコミュニティ(お客様)からのご意見やご要望、フィードバックが随所に盛り込まれているようで、これからもお客様の声を重視して Aras の進む方向性を考えていきたいとのことでした。

 

Aras の製品セッション

Johnのセッションとは別に、個別のアプリケーションや機能に関する様々な製品セッションが用意されました。特に、新たにリリースしたクラウド版 Aras Innovator や、コンテナ機能、個々のアプリケーションに関する詳細やロードマップについて紹介されました。各セッションは、改めて ACE 2021 にログインしてご覧ください。 

 

協賛社 セッション・展示

 ACE 2021では、グローバルで 20社のパートナー様にご協賛いただきました。日本からは 5社のプラチナスポンサーと 7社のゴールドスポンサーにご支援いただき、多彩なソリューションやアプリケーションを取り揃えて ACE 2021 を盛り上げていただきました。

ACE 2021にログインし、トップメニューから「展示」をご選択いただくと、各社のスペースをご訪問いただくことが可能です。各社のソリューションやデモに関する資料や動画が用意されていますので、ぜひご覧ください。

 

Aras Meet Up!

3日間の全セッションの終了後に、Aras 社員や多くのお客様、パートナー様がラウンジに集合して、思い思いのコメントをチャットしていきました。お昼休みにもかかる時間でしたが、思いの外多くのお客様にお集まりいただき、「お疲れさまでした」や「来年こそはリアルに会いたいですね」等のコメントが飛び交っていました。

実際、初めは、オンライン開催でどのようにお客様と会話するか、いろいろな方法を模索しましたが、イベントプラットフォームが持っていたチャット機能やメッセージ機能、あるいは電子名刺交換の機能を活用して、そこそこのコミュニケーションが取れたのではないかと感じております。しかし、やはり face to face に勝るものはなく、日本人は目を見て会話することを重視する民族であることを改めて実感しました。

 

最後に

ACE 2021 にご参加いただきました皆さま全員に、改めて感謝いたします。ありがとうございました。もしセッションをお見逃しになったり、再度ご覧になる場合には、改めて ACE 2021 にログインしてご覧ください。 

ピーターをはじめ、あちこちで聞かれた「来年こそはリアルで会いましょう」が実現できるよう、コロナ禍が落ち着くことを祈りつつ、それまではコロナ禍を経験して顕在化したDXを実践に移せるよう、Aras としてはそのお手伝いができるよう準備しております。これからも、よろしくお願いいたします。また、来年の ACE 2022 をお楽しみに!